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作って終わりじゃない。ブランドの運用・管理方法とは?

 ZeBrandは、あなたのビジョンが多くの人に知られるに値し、実現されるべきであると信じています。この「ブランド構築のA to Zeシリーズ」では、あなたのビジネスをパワーアップさせ、成長を加速させるツールとして、ブランディングを活用するためのお手伝いをします。

「ブランド構築のA to Zeシリーズ」のパート10「作って終わりじゃない。ブランドの運用・管理方法とは?」へようこそ。

パート9を見逃した方は、以下よりご覧ください。

ブランドは、企業と消費者をつなぐ架け橋です。この橋の両側には、絶え間ない変化があります。ビジネス側では、経済情勢の変化によるピークアウト、新たな法律による障害、新たな競合の参入があります。消費者側では、テクノロジーの進化はかつてないほど速く、流行は移り変わり、社会文化的は変化を続けています。

変化は必然であり、必要なものです。時代の変化とともに、ビジネスの方向性も変わり、ブランドも変化していかなければなりません。IBM、3M、Virginなど、数十年の歴史を持つブランドについて考えてみると、その戦略や外観が時代とともに大きく変化していることがわかります。Instagram、Airbnb、Spotifyなど、デジタル時代のブランドは、5年前と今とでは見た目も印象も大きく変わっています。

では、変化のタイミングはどのように見極めるのでしょうか?そして、どの程度の変化が必要なのでしょうか?

私たちは、ブランドが周囲の世界に対応するために取るべき5つの基本的な対応があると考えます。しかし、そのすべては、コアとなるブランド・アイデンティティを維持することと、必要な変化をすることのバランスをとることから始まります。

ブランドを維持する

最初にブランドを確立しておけば、その後は順風満帆だと思いがちです。しかし、実際には、ブランドは確率したら終わりというものではありません。

あなたのブランドは、いったん世に出れば、それ自体がいのちを持つようになるのです。より多くの人に届くようになると、人々はそれを利用するようになり、あなたが意図しなかった方法で解釈するようになります。彼らは、ソーシャルメディアや口コミを通じて、あなたのブランドに対して異なる認識を持ち、意見を述べるようになります。そして、ビジネスが成長し、より多くの資料や素材を作成するようになると、コミュニケーションがバラバラになり、デザインなどがまとまりのないものになり、ブランドから逸脱していくことがあるでしょう。

では、どうすればブランドをコントロールし続けることができるのでしょうか。まず、アンテナを張って、大きな変化の兆しを小さなシグナルで感じ取ることが必要です。例えば、競合他社がどのような動きをしているか、以下のようなことを意識しながら外に目を向けることです。

新しい機能によって、ブランドのマーケティング方法が変わっていないか?
その変化はどのくらい大きなものであるか?

より積極的なアプローチとしては、定期的に顧客インタビューやアンケートを実施し、ブランドが約束を果たし続けているかどうかを確認することが挙げられます。フィードバックに不規則性がある場合は、変化が近づいていることを示唆している可能性があります。そして、最も重要なことは、将来を見据えることです。潜在顧客はあなたのことをどう思っているのか、あるいはまだ満たされていないニーズは何なのか、調査を実施してください。

また、ブランドを維持するためには、社内の管理体制が必要です。チームを編成し、あらゆるデータを集めましょう。これは特に、マーケティングやセールス、カスタマーサービスなど、社外とのコミュニケーションに携わるメンバーにとっては、特に重要です。

素晴らしいものは採用し、基準から外れている可能性があるものを見つけ、それを改善するための計画を立てます。ブランディングの効果を最大限に引き出すために、良い実行例をいくつか挙げて、全員が目指すべき目標やモデルを共有できるよう、コミュニケーションを図り、連携を取りましょう。社内でブランドを維持し、外部の情報を収集することで、将来取るべき行動を追跡し、整合させることができるのです。

ブランドをリフレッシュする

ブランドも、時代の波の中で、構築当初に想定していた機能性や汎用性を失うことがあります。例えば、VRの新しい次元やスマートウォッチの小さなスクリーンなど、技術が変化し、人々が新しいフォーマットでブランドとインタラクトしなければならなくなるかもしれません。また、ブランドが誕生した当時は、時代の最先端を行く企業に見えたのに、時間が経過した今、少しみすぼらしく見えているかもしれません。技術的なことであれ、クリエイティブなことであれ、ブランドが輝き続けるためには、時折、何らかの手を加える必要があります。

このような場合、単純にブランドを「リフレッシュ」することになるかもしれません。リフレッシュとは、デザインを全面的に見直すのではなく、ブランドの個々の要素を微調整することです。たとえば、ロゴやカラーなどブランドの主要なブランドアセットのエッセンスはそのままに、デザインシステムに動きを加えたり、新しい用途に対応できるよう、書体を見直したりすることがブランドのリフレッシュに繋がります。どのブランドアセットが時代を超越した不変の価値があるもので、どのアセットが変化しやすく、期限切れのものであるかを理解することが重要です。前者を維持することに集中し、互換性を維持するために後者の周囲の要素を調整します。

Netflixは、数年前にストリーミングビジネスが急成長したため、ブランドを一新しました。サービスのコンテンツ量が飛躍的に増加し、ブランドが単なるプラットフォームからコンテンツ・プロデューサーになるにつれ、認知度とナビゲーションのしやすさを維持しつつ、エンターテインメント性を高める必要がありました。

そこで、フラットで洗練された新しいワードマークを採用し、グリッドとレイアウトを革新的に用いることで、モーションとブラウジングのUIに見事に対応したデザインを公開しました。

ブランドの位置づけを変える

時代の流れや社会の変化により、ブランドは本来の意味を見失うこともあります。消費者の嗜好やニーズの変化により、ブランドはかつて素敵だった要素を失いかねません。

このとき、ブランドはまだ認知度と名声を保っているかもしれませんが、以前ブランドがもたらしていたような力を失っています。このような場合、企業はブランドのリポジショニングを行います。コアとなるアセットや製品はそのままに、変化する嗜好、信念、行動、あるいはまったく新しい顧客にアピールするために、ブランドを新しい方向へ向かわせるのです。

例えば、リコーのような企業は、過去にはプリンターやコピー機の製造に優れていたかもしれませんが、ペーパーレス時代には、クラウドソリューション、コラボレーションツール、プロセスコンサルティングなど、職場のデジタル化へと方向転換しています。ファッションの世界では、トレンドが周期的に変化するため、リポジショニングは非常によく行われます。Champion、Reebok、FILAのようなブランドは、Nike、Adidas、PUMAのような競合に押され、何十年も沈黙していたかもしれません。しかし、80年代の偉大なブランドたちのチャンピオンとして戻ってきて、競合はノスタルジアの流行に乗り遅れずに追いかけざるを得なくなっているのです。

サブブランド(または新しいブランド)を作る

あなたのビジネスが成長するにつれ、その製品やサービスの範囲も広がっていきます。独自の技術や知的財産の新しい用途が見つかると、新しいサブブランドを作る必要に迫られるかもしれません。例えば、ソニーは、ゲーム機には「プレイステーション」、テレビには「ソニー ブラビア」、携帯電話製品には「ソニー Xperia」というブランドを作りました。

特に独立した製品の場合、新しい市場やオーディエンスをターゲットにするため、あるいは異なるポジショニングを持たないと元の親ブランドのブランド価値を下げる恐れがあります。そのため、親ブランドとは全く異なるブランドを作らなければならない場合があるのです。

シンガポール航空は、プレミアムなサービスと魅力的なファーストクラスを提供し、人々の憧れの的となっている受賞歴のある航空会社の一例です。そこで、格安航空会社市場に参入する際、これまで大切に築いてきた評判を損ないたくないという思いから、「スクート」をまったく新しいブランドとして立ち上げ、見た目も雰囲気もまったく違う、それ自体が強さと価値を持つ、楽しくて遊び心のあるブランドを新たに作成したのです。

新しいブランドを立ち上げる理由が、より現実的なものである場合もあります。Googleは数年前、サブブランドAlphabetを作りました。「Alphabet」という名前は、ある人にとってはランダムで混乱しそうな名前ですが、Googleブランドが他の新しい、まだ確立されていないサービスによって「希釈」されるのを防ぐために、意図的に異なる名前にしたのです。もちろん、事業構造や計画には一長一短があるため、企業はさまざまな部門の再編や評価管理について、選択肢とその影響を検討する必要があります。

ブランドを再構築する

ブランドは何年もかけて信頼と認知を高めていくものですが、時にはその役割を終えてしまうこともあります。企業によっては、これまでとはまったく異なる道を歩む必要があると判断し、あるいは消費者に大きな変化を告げる必要を感じることもあります。このような場合、ブランドのリフレッシュやリポジショニングだけでは十分でないと感じるでしょう。世間に見せる顔だけでなく、ロゴや社名、企業文化など、すべてを見直した完全なリブランディングを選択する場合もあります。これは通常、ビジネス戦略の大きな転換を伴うものです。

2010年、2人の友人が待ち合わせのスケジュールを立てるためのチェックインアプリを立ち上げました。現在、そのアプリは進化を遂げ、Instagramとしてリブランディングされました。新しいビジネスモデル、新しい名前とデザインを採用したことによる成功です。

私たちの世界は決して静止することはありません。つまり、静止している企業やブランドは、取り残されてしまうのです。ブランドの旅を続け、貴重なアセットを管理する中で、変化を求める状況に遭遇することがあります。それは、小さな変化かもしれませんし、漸進的な変化かもしれません。ブランドそのものに大きな影響を与えるようなビジネス上の行動をしなければならないかもしれません。どんなことであれ、目を見開き、耳を澄まし、時代とともに進化する勇気を持ちましょう。

ブランド構築のA to Zeは、ブランディングを活用して顧客を惹きつけ、ビジネスを成長させることを目的とした、ブランディング全般に関する10回シリーズです。

今回の記事では、企業がブランドとどのように付き合っていくべきかについてまとめました。

  • 生命を持ったブランドをコントロールすること

  • 時代の変化に合わせて、ブランドをリフレッシュをしたり、リポジショニングしたりすること

  • 全く新しいブランドを再構築すること

企業は、フェーズに合わせて、ブランドと正しく付き合っていくことが必要です。

ZeBrandはブランドを一元管理できるツールを提供しています。そのため、全体像を見失いがちなブランドの運営・管理を低コスト、低リソースで可能としています。ZeBrandに興味、関心がある方は以下よりお気軽にお問合せください。


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